18年間に渡りゴーストライター新垣隆氏に作曲を依頼していた佐村河内守氏が、問題が明るみに出て以来、初めて公の場に姿を現した。一番の争点であった佐村河内氏の聴覚について、横浜市に障害者手帳を返納したとしながらも「3年くらい前から聞き取れることもあったが、音声はひずんでしまい聞き取れないことがほとんど」と一貫した姿勢をとった。→ ranking

  • 果てしない上昇志向

謝罪会見としながらも一転し反論会見の様相を呈し「(新垣氏を)絶対訴える」など、強気の姿勢をとった佐村河内氏。「世界に行っていたら、もっとたくさんの人に迷惑をかけていた」と問題が発覚していなければ海外進出を考えていたと取れる発言に、佐村河内氏の上昇志向の強さを伺える。

また会見中、数々のインパクトある発言を視聴者に与えた。何度も「天地神明に誓って」というフレーズを使い、記者の人生で一番どん底はいつかとの問いに、間髪入れず「今です」と昨年度の流行語大賞を彷彿とさせる言動。イメージの強かったサングラスについて「(サングラスをしてくると)叱られると思ったので、してこなかった」と笑いを誘う言い回し。
この会見を最後にテレビ出演はしないと述べる佐村河内氏だが、その会見からはまるで新人アーティストのデビュー会見かのような、上昇志向の強さを感じた。

  • 神々にケンカを売ったのか?

天地神明とは、天と地あらゆる神々という意味である。記者に「まだ手話通訳が終わってないですよ」と指摘を受けるなど、佐村河内氏の言葉の信憑性は曖昧である。もし佐村河内氏が嘘の発言を行っているとなると、天地神明に誓ったのは神々にケンカを売ったということになる。

佐村河内氏の会見により、問題はますます深まってしまった。今後の動向によって、真相が明らかになる時がくるのだろうか。それは神々のみぞ知る、と言ったところだろうか。→ ranking